食鳥サイトの画面
   HACCPの制度化

HACCPの制度化が正式に決定



HACCPの制度化が正式に決定  

   厚生労働省は、平成28年年12月14日に食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の導入をすべての食品事業者に義務づける方針を決定していましたが、食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年6月13日公布)で正式に制度化が決定しました。
  経過措置はあるものの、食品営業者の皆様におかれましては、今から準備を始めていただきますようお願いいたします。

HACCP制度化、「基準A・B」の呼称変更
  平成30年3月1日と5日の自民党厚生労働部会で、HACCP制度化にに議論が集中した。
  当初、厚生労働省は厳格なHACCPに基づく衛生管理を「基準A」、弾力化を持たせた手法を「基準B」として提案したが、出席した議員から「わかりにくい」という批判が出たため、同省は「HACCPに基づく衛生管理(旧基準A)」、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(旧基準B)」という呼称を再提案した。
  ただし、「中身は変わらない」としている。
  現行制度では、全ての食品事業者に「一般衛生管理」(手洗い・消毒・清掃など)を求めているが、HACCP制度化により、小規模事業者などに対しては、「一般衛生管理」に加えて、「工程管理(HACCP)」のうち「計画作成、管理・記録」を義務化する。

  厚生労働省ホームページに平成30年8月31日付けで「HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」が掲載されました。
  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000153364_00001.html

食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年6月13日公布)の概要 

 我が国の食をとりまく環境変化や国際化等に対応し、食品の安全を確保するため、食品衛生法が改正されました。
 なお、詳細については、政省令の改正を待つ必要がありますが、その時期は年内とも年度内とも言われています。
 また、34業種と細分化されている「飲食店営業」「喫茶店営業」なのど営業許可業種も大幅な見直しが予定されています。


◎改正の趣旨 

◯ 我が国の食をとりまく環境変化や国際化等に対応し、食品の安全を確保するため、広域的な食中毒事案への対策強化、事業者にdよる衛生管理の向上、食品による健康被害情報等の把握や対応を的確に行うとともに、国際整合的な食品用器具等の衛生規制の整備、実態等に応じた営業許可・届出制度や食品リコール情報の報告制度の創設等の措置を講ずる。


◎改正の概要 

1.広域的な食中毒事案への対策強化
 国や都道府県等が、広域的な食中毒事案の発生や拡大防止等のため、相互に連携や協力を行うこととするとともに、厚生労働大臣が、関係者で構成する広域連携協議会を設置し、緊急を要する場合には、当該協議会を活用し、対応に努めることとする。

2.HACCP(ハサップ)*に沿った衛生管理の制度化
 原則として、すべての食品等事業者に、一般衛生管理に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施を求める。ただし、規模や業種等を考慮した一定の営業者については、取り扱う食品の特性等に応じた衛生管理とする。
* 事業者が食中毒菌汚染等の危害要因を把握した上で、原材料の入荷から製品出荷までの全工程の中で、危害要因を除去低減させるために特に重要な工程を管理し、安全性を確保する衛生管理手法。先進国を中心に義務化が進められている。

3.特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集
 健康被害の発生を未然に防止する見地から、特別の注意を必要とする成分等を含む食品について、事業者から行政への健康被害情報の届出を求める。

4.国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備
 食品用器具・容器包装について、安全性を評価した物質のみ使用可能とするポジティブリスト制度の導入等を行う。

5.営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
 実態に応じた営業許可業種への見直しや、現行の営業許可業種(政令で定める34業種)以外の事業者の届出制の創設を行う。

6.食品リコール情報の報告制度の創設
 営業者が自主回収を行う場合に、自治体へ報告する仕組みの構築を行う。

7.その他(乳製品・水産食品の衛生証明書の添付等の輸入要件化、自治体等の食品輸出関係事務に係る規定の創設等)


◎施行期日 

 公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日(ただし、1.は1年、5.及び6.は3年)


改正食品衛生法の今後のスケジュール
           改正項目   施行期日 註1)     経過措置
 1  広域的な食中毒事案への対策強化 2018年6月13日から1年以内
 2  HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化 2年以内 施行日から1年間
 3  特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集 2年以内
 4  国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備 2年以内 施行日に流通している容器包装は、流通可能
 5  営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設 3年以内
 6  食品リコール情報の報告制度の創設 3年以内

註1:交付日(2018年6月13日)から◯年を超えない範囲内において政令で定める日


◎食鳥処理場に於けるHACCPの制度化  

   今回決まったHACCP(ハサップ)の制度化では、全ての食品等事業者(食品の製造・加工、調理、販売等)を対象にHACCPによる衛生管理を求めていますが、小規模事業者や一定の業種等には必要に応じて弾力的な取扱いを認めています。
   食鳥処理場[食鳥処理業者(認定小規模食鳥処理業者を除く。)]については、HACCPに沿った衛生管理が必須となりましたが、今回の制度化においては、認証の取得は不要となっています。



↑頁トップへ